多くの言葉は必要ではない。今,震撼の扉が,開かれる時。
米国アップル社の暫定CEOのステーブ・ジョブズは31日,シーボルド会議の基調講演演説で,新しいG4プロセッサを発表した。このG4の動作速度は,インテル社が出している同等のペンティアム3プロセッサーの倍近くになる、とジョブズは述べている。アップル社は、G4を搭載したコンピューターはとても速いので、米国政府によってスーパー・コンピューターに分類され、一部の国には輸出できないのだと語った。「一つのチップ上にのったスーパー・コンピューター」G4を搭載した400MHzデスクトップマシンは,1599ドルで今月31日に売り出される。
記事中にもあるように単純にジョブズに云う「速さ」を飲み込んではいけない。だが,このG4は,人間が構築してきたパーソナルハードウェアの壁を完膚無きまでにぶち破るものだ。1秒間に10億回の浮動小数点演算をこなす。人の英知を超えるこのシステムが,個人のものとして売り出されるという時代の転換点に,われわれは立ち会っている。
とある研究者が,ジョブズに呼ばれる。彼は,興奮する会場で訥々と語りだす。G4が1回の演算を行う時間は,光が,約30cm進むのと同じ時間でしかない。すなわちキーボードを叩いて1演算する間に,まだモニタから発せられた光は,あなたの顔に届いていない。……そして,震撼の扉が,開かれる。
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